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Pt100 センサ(白金測温抵抗体)を使って温度を測る

はじめに

自作 3D プリンタのノズルの温度制御に Pt100 センサ(白金測温抵抗体)を使ってみました。測温抵抗体は金属の抵抗値が温度によって変化することを利用した温度センサです。Pt100 は白金を用いた測温抵抗体で,0℃ における抵抗値が 100 Ω のものです。温度が高くなるほど抵抗値が大きくなります。

Pt100

Pt100 の抵抗値

温度 \(t [ ^\circ \rm C] \) における Pt100 の抵抗値 \(R_t [\Omega]\) は次式であらわされます。ただし,\(t \geqq 0\) とします。 $$ R_t = R_0 (1 + A t + B t^2) $$ $$ A = 3.9083 \times 10^{-3} $$ $$ B = -5.775 \times 10^{-7} $$ $$ R_0 = 100 [\Omega] $$

グラフを描くと下図のようになります。

R_t vs t

測定回路

Pt100 の抵抗値を電圧に変換して,マイコンの AD 変換器に入力できるようにするため,下図のような回路を組みました。 コネクタ J1 に Pt100 を接続して使います。

回路図

まず,Pt100 の抵抗値 \(R_t\) と \(R_1\),\(R_2\),\(R_3\) でブリッジを構成し,抵抗値 \(R_t\) に応じた電圧 \(V_1\) を得ています。ブリッジの出力電圧 \(V_1 [\rm V]\) は次式であらわされます。 $$ V_1 = 3.3[{\rm V}] \times \left( \frac{R_t}{R_1 + R_t} - \frac{R_3}{R_2 + R_3} \right) $$

\(R_4\),\(R_5\),\(C_1\),\(C_2\),\(C_3\) はローパスフィルタを構成しています。

次に,計装アンプ AD627 を使って約 25 倍に増幅し,AD 変換器で扱いやすい範囲にしています。計装アンプの出力電圧 \(V_2 [\rm V]\) と温度 \(t [ ^\circ \rm C]\) の関係は下図のようになります。

V2 vs t

この関係を使って,AD 変換結果から \(t\) を逆算することができますね。

市販の Pt100 センサ

omron 温度センサ(汎用タイプ) (正式型式:E52-THE-E5L 0-100 0.5M)