FDM(熱溶解積層)方式の 3D プリンタでは,熱を加えて柔らかくした樹脂を積み重ねて造形します。 このとき,造形のベースとなるベッドを加熱することにより,造形物の反りを緩和し定着しやすくします。 これをヒートベッドと言います。
今回は自作 3D プリンタ用のヒートベッドを自作しました。
ヒートベッドの発熱体として秋月電子の「精密級大電力抵抗モジュール 16 W 1 Ω」(通販コード R-08157)を使用しました。これはアルミ基板にチップ抵抗器を実装したものです。
このモジュールを 4 つ直列にしたものを,並列にして,合計 8 個使用しました。
電源電圧を 12 V とすると,合計の消費電力は, $$ 2 \times \frac{12^2}{4} = 72 [{\rm W}] $$ となります。モジュール 1 つあたり 9 W です。
今回製作したヒートベッドの構造は上から,耐熱ガラス,アルミ板,発熱体(抵抗モジュール)の 3 層構造になっています。
ガラス板はアズワンの「NEW ガラスセラミック保護板 150 角」を使用しました。連続安全最高使用温度が 700 ℃ なので,じゅうぶんです。
アルミ板は,厚さ 2 mm で,150 x 200 mm のものを使用しました。
アルミ板と発熱体は,サンハヤトの「1 液型室温硬化タイプ 固まる放熱用シリコン SCV22」で接着しています。
ガラス板はメンテナンスしやすいように接着はせず,事務用のダブルクリップ(25 mm 幅)でアルミ板に固定しています。
完成したヒートベッドに 12 V を印加し,放射温度計(Fluke 59 MAX)でガラス表面の温度を測るとだいたい 100 ℃ ぐらいになっています。
電源電圧を変えることによって温度を調整できます。